家庭向けToDo管理に「Todoist」でなく、今あえて「Wunderlist」を選ぶ理由
恥ずかしながら、これまで家庭内の ToDo 共有には、「CheckPad」というサイトを使い続けてきた我が家なのですが、さすがにかれこれもう11年も使っているし、次を考えないとね。ということで、ToDo 管理サービスを見直してみました。
実は、これまでにも何度も見直す機会はあったのですが、徹底したライト志向の僕らは、結局また古巣に戻っては、ということを繰り返してきてましてですね。
ということで、今回は、そんな僕らが今あえて「Wunderlist」を選んだポイントなんかを書いていこうと思います。
面倒だからできるだけ ToDo は管理したくないけど、管理したいときはする、そんな人に向いてる ToDo 管理サービスだと思います。
実はMicrosoft To-Doへの移行が決定済み
と、その前に。実は「Wunderlist」は2015年に Microsoft に買収された経緯があり、 将来的には「Microsoft To-Do」という別サービスへの移行が既に決まっているサービスになっています。
が、現状の「Microsoft To-Do」はリストの共有ができない等、機能が少なすぎてまだイマイチ。
将来的には Wunderlist の機能が Microsoft To-Do へ移植される予定ではあるらしいのですが、少なくとも今はまだ、ユーザーが喜んで移行できる、という状況にはなっていません。
ただ、そういった経緯もあって、Microsoft To-Do には Wunderlist からのデータインポート機能も用意されていますので、今、あえて Wunderlist を使っていたとしても、そうは困ることはなかろう。ということで、今さらですが、まずは Wunderlist を使うことにしました。
Wunderlistの特徴
検索すれば Wunderlist の使い方はどれだけでも出てくると思うので、"家庭で使う共有ToDoリスト" という視点での設計思想や、機能の制約、あと良いところ等を列挙していきます。
<Wunderlistの特徴>
- タスクには明確な期日のないものが多い、という前提の設計に思える。
- タスクリストへ1タップでたどり着ける。リスト志向。
- Web / Windows / Mac / Android / iOS / Kindle Fire など、幅広いプラットフォーム用にアプリが用意されている。
- 特に、Amazon のアプリストアに Kindle Fire 用アプリがあるのは強み。
- Chrome拡張機能やメールでのタスク追加が可能
- UIがちょいもっさい
- リストごとにタスクの初期担当者を設定できない
- 週2回などの変則スケジュールには対応しない
→ スケジュールを2つ登録すれば実用上問題ない。そうすれば曜日によって通知の時刻を変えられるし。 - サブタスクに期日を設定できない
→ そんな複雑なことすんな。ってことかもしれない - "繰り返しのスケジュール" を予定より早く完了した場合は、一旦リストから消える
- ファイルのアップロード機能が無料(ただし無料版は容量制限が厳しい)
- 複数タスクの一括登録方法が用意されていない(勝手ツールはあるが無理やり感がある)
この他にも、タスクへのメモやコメント機能など、当たり前の機能はちゃんと用意されていますし、コメントの通知などもちゃんと飛びます。
Todoistの特徴
ついでになので、主に比較した別サービス「Todoist」の特徴も書いておきます。
- タスクには明確な期日があるものが多い、という前提の設計に思える。
- 週間の予定表からタスク登録できる。スケジューラ的な設計
- タスクリストへ到達するのに2タップ必要(スマホアプリの場合)
- 週2回などの変則スケジュールも登録可能
- Chrome拡張機能やメールでのタスク追加が可能
- UIが今っぽい
- Web / Windows / Mac / Android / iOS など幅広いプラットフォーム向けのアプリがある。
- Kindle Fire向けのアプリは無い
→ 昔はあったのに。いやね、まぁ、Fire に Google Play を無理やりぶち込めばいいんでしょうけども。 - リマインダー機能が有料(無料版は時刻指定できない)
- インデント形式のサブタスク管理。サブタスクにも期日を指定可
- "繰り返しのスケジュール" を予定より早く完了した場合は、期日が次回の日付に更新され、リストに残る
- ファイルのアップロード機能が有料
- ラベル機能が有料
- 複数タスクの一括登録が可能。(複数行貼り付けするだけ)
この他にも、タスクへのコメント機能など、当たり前の機能は当たり前に付いています。
非常に良く出来たサービスですが、どっちかというといわゆる GTD ツールの側面が強いようで、ちょっと職場向けかなーという印象が拭えません。
家庭では基本的にタスクに期日を設けたくない
こういうとアレですが、僕はタスクに期日を設定するのが嫌いな性格でして。その根本には、"家庭ってのは大人にとっては休む場所" という考えがあるんですよね。
だからこそ、もちろん体調管理上必要な家事などは外しませんが、そうでない作業は余力で回したほうが、質も量も良いアウトプットが出せる、と信じているわけです。
そういう観点で見ると、やはりリスト志向のtodo管理ツールである「Wunderlist」は、僕の考えとよく合ってると思うわけです。
リスト志向だからといっても、タスクに期日は設定できるわけですし、時刻指定のリマインダー機能が無料というのも無視できません。なんというか、Wunderlist の方が無料で使える機能が多いのは、家庭利用ではやっぱり大きいです。
週に数回、というような変則的なスケジュールを扱えない、という欠点もあるにはありますが、スケジュール機能なんかは Google カレンダーにでも任せれば良いわけだから、問題ってほどではない。
また、サブタスクに期日があるような案件も Trello とか Taskworld にでも逃しておけばいいですし、せっかくリストにアクセスしやすいUIなんだから、サブタスクがあるような案件は、それ専用のリストを Wunderlist 上に作ったっていいと思うわけ。
あと、これも選定理由のひとつだったんですが、うちの嫁さん曰く「Wunderlist の方がとっつきやすい」というのも大きくて。
うちの嫁は重度の iPhone ユーザーなので、てっきり Todoist みたいな "かっちょいいUI" の方が好みだろう、と予想してたんですが、どうやら、彼女が欲しかったのは、"todoと、そのプライオリティが見える化できるツール" というだけで、スケジュールべースで todo を管理する "拘束具" ではなかったのかもしれません。
というか、すでに家庭内のスケジュールは Google カレンダーで共有しているわけですからね。
Microsoft To-Doにこれだけは入れて欲しい。と思う機能
さて、話しは逸れて Wunderlist からの移行先となる Microsoft To-Do ですが、個人的に、最低限これだけは追加してくれないと使えないよ、という機能をこれ見よがしに列挙しておきます。
- Google カレンダーや iCal へスケジュールを送れるフィード
- 複数ユーザー間でのリスト共有機能
- タスク単位でのコメント機能と通知の整備
- サブタスク機能
- お気に入り・スター機能
逆に言えば、これだけ入れてくれたら、家庭向けの ToDo 共有サービスの移行先として検討できるかな、と思えるラインだということです。
あと、これは世間でまだあまり評価されていない機能のようですが、既に Microsoft To-Do に実装されている「今日の予定」と「曜日指定での繰り返しスケジュール」機能はかなり秀逸。ぜひ、そのエッセンスは残していただきたいです。
特に、「今日の予定」機能は、カオス化しやすい todo リストの中から今日やることだけを別レイヤーにつまみ出せる機能であり、ToDo 管理を当たり前に使っている人ほど、その有り難さが分かるはず。(かわりにお気に入り機能を無くしているのはよくない設計と思いますが)
具体的には、まず、期日ベースでタスクが自動的に「今日の予定」に入る。そこまでは他のサービスでもよくあるんですが、それとは別に、手動でも「今日の予定」にタスクを入れることができて、そのとき、そのタスクは元のリストから移動されずに残る、という動きをしてくれるのです。
これはまぁ、なんとも Microsoft らしい冴えた機能で、一日の頭にタスクを列挙して、あとはそれをこなすだけ、というワークフローが実現しやすい。(できなかったらまた明日、という感じにはなるわけですが。)
おっと、どうにも長くなってしまいました。
とりあえず、どんどんと複雑化を続ける ToDo 管理サービスの世界。すでにその機能は極まってる感もあるわけですが、逆にこのくらいまで来たからこそ、タスクごとにコメント欄が分かれているからコメントが簡単なもので済む、とか、タスク毎に情報をスタックできる、といった実利のあるものに変わってきているように思います。
その一方で、こんなに複雑なものは要らないや、という人がいるのも確かでしょうから、シンプルな todo 管理システムとしても使いやすい UI になっているか、というのは、やはり重要そうです。
そういう視点で見たとき、Wunderlist や Microsoft To-Do はわりとよくまとまっている方だと思うので、興味のある人は触ってみても良いかもしれません。後者は今触ってもまだかなりガッカリな状態ではありますが…。